top of page
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)_edited.jpg

このページでお伝えしたいこと

  • 本ページでは、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)とインスリン療法の併用について、
    すでに公表されている大規模臨床試験(SURPASS-5試験)の結果を整理・解説します。

  • 特定の治療法や治療効果を推奨・保証するものではなく、
    臨床試験で報告された知見を、一般的な情報として紹介することを目的としています。

SURPASS-5試験の概要

SURPASS-5試験は、基礎インスリン(インスリン グラルギン)を使用中の2型糖尿病患者を対象に、
マンジャロを追加投与した場合の有効性と安全性を検討した、40週間の臨床試験です。

本試験では、血糖目標に基づいてインスリン投与量を調整するプロトコルが採用されており、
マンジャロ併用がインスリン必要量にどのような影響を及ぼしたかが評価されています。

1.インスリン投与量はどのように変化したか

SURPASS-5試験では、血糖目標値に基づいてインスリン投与量を調整するプロトコルが採用されており、
プラセボ群とマンジャロ併用群の間で、インスリン投与量の変化に差が認められたと報告されています。

40週間の試験期間において、
プラセボ群ではインスリン投与量が増加する傾向が示されました。
一方、マンジャロ併用群では、
投与量の増加が抑制され、用量によっては減少が認められた群も含まれていました

各群におけるインスリン投与量の平均的な変化は、以下の表にまとめられています。

表に示されているとおり、
マンジャロ併用群では、プラセボ群と比較して、
インスリン投与量の増加が抑制される傾向が報告されています。

ただし、これらの結果は臨床試験における集団レベルの平均値であり、
個々の患者さんに同様の変化が生じることを示すものではありません。

実際の治療においては、
病態、検査結果、治療経過などを踏まえ、医師が慎重に判断する必要があります。

2.インスリン必要量が抑制された背景として考えられている要因

SURPASS-5試験の報告では、インスリン必要量が抑制された背景として、
単一の要因ではなく、複数の薬理学的作用が関与している可能性が示唆されています。

① 内因性インスリン分泌の促進とグルカゴン分泌の抑制

マンジャロは、GIPおよびGLP-1受容体の双方に作用する薬剤です。
これにより、膵β細胞からのインスリン分泌が促進されるとともに、
血糖を上昇させるグルカゴン分泌が抑制されることが報告されています。

その結果、外因性インスリンへの依存度が低下する可能性が示されています。

② インスリン感受性の改善

他のSURPASS試験(例:SURPASS-4)では、
マンジャロ投与により、体重減少だけでは説明できないレベルの

インスリン感受性の改善が示唆されたと報告されています。

インスリンの効きが改善することで、
より少ないインスリン量で血糖管理が可能となる可能性が考えられます。

③ 体重減少の影響

SURPASS-5試験では、マンジャロ併用群において用量依存的な体重減少が報告されています。

  • 15mg群:約8.8kg減少

  • 10mg群:約7.5kg減少

  • 5mg群:約5.4kg減少

一方、プラセボ群では体重増加が認められました。

肥満はインスリン抵抗性の主要な要因の一つであるため、
体重減少がインスリン必要量の抑制に寄与した可能性が示唆されています。

④ 食後血糖の改善

基礎インスリンであるインスリン グラルギンは、主に空腹時血糖の管理を目的とした薬剤です。
一方、食後血糖の制御には限界があることが知られています。

マンジャロ併用により、食前・食後の血糖管理が改善した結果、
インスリン追加増量の必要性が抑えられた可能性が報告されています。

3.体重減少とインスリン減量の関係について

SURPASS-5試験の報告では、
個々の患者レベルでの相関係数などの詳細な解析は示されていません。

しかし、集団レベルでは、

  • 用量が高いほど体重減少が大きい

  • それに並行してインスリン必要量の抑制が強まる

という、一貫した用量依存性の傾向が確認されています。

重要な点として、
インスリン減量の効果は体重減少のみで説明されるものではなく、

マンジャロ固有の薬理作用(β細胞機能の補助、インスリン感受性の改善)が関与している可能性が示されています。

本ページのまとめ

SURPASS-5試験の結果からは、
マンジャロとインスリンの併用により、
インスリン必要量の変化に影響を及ぼす可能性が示唆されたことが読み取れます。

ただし、これらの知見は臨床試験に基づく集団レベルの結果であり、
個々の患者さんにそのまま当てはまるものではありません。

実際の治療方針については、
必ず医師が病態・検査結果・治療経過を総合的に評価したうえで判断される必要があります。

bottom of page